2009年 4月号 NO.105
【こころの時代】

よく大きくなってくれました
藤原咲子



エッセイストの藤原咲子《ふじわらさきこ》さんは、1945(昭和20)年7月、作家の新田次郎さんと藤原ていさんの長女として、旧満州の新京市(現在の中国東北部・長春市)で生まれました。翌月、日本は敗戦。ていさんが乳飲み子の咲子さんを背負い、幼い2人の息子とともに日本へ帰りついたのは、46年9 月のことでした。この満州からの脱出行は、ていさんの『流れる星は生きている』に描かれ、大ベストセラーとなりました。しかし、その後の母娘《ははこ》を待ち受けていたのは、過酷な引き揚げ体験ゆえの葛藤《かっとう》でした。寂しく苦しかった月日を経て、母への思いを著書『母への詫《わ》び状《じょう》』へと昇華させるに至る心の遍歴を、藤原咲子さんが語ります。 [聞き手 河村陽子]